ベアリングはどう洗ったら良いの?脱脂した方が良いのか?ベアリングのメンテナンスってどんな風にしたらいいの?ということありませんか?

私が通っているサーキットの店長はベアリングは脱脂したらダメと言います。でも、よくよく理由を聞けるチャンスが無いし、でも雑誌ではベアリングは効果的だと書いてあります。何がほんとなんだろう?

ベアリング脱脂の考え方を、詳しい方に聞いてみたものをまとめてみました。これはひとつの考え方で、いろいろな考え方があると思いますが、ベアリングの質問を周りにできないという方は見て頂けたら幸いです。

ベアリングを脱脂した効果

良いベアリングを完璧に脱脂してしゃばしゃばの軽いオイル(アクソンの低粘度やWD40)を刺してあげるとめちゃめちゃ軽く回ります。直線もコーナーも見違えたように走ります。ただし寿命が凄く短くなります。最高に良い状態はレース1、2回で終わってしまいます。もちろん徐々に劣化するのでレース後すぐに捨ててしまうということは無いですが…

ベアリングに刺すオイル

ベアリングに刺すオイルは、鉱物系のオイルであればどのオイルを使用しても、それほど変わらないと思います。それよりも粘度が非常に大切です。脱脂した後に刺すのであれば軽いものの方が抵抗なくスムーズに回りますがベアリングの寿命は短いです。重いものであると抵抗はありますがベアリングの寿命が伸びます。寿命が最も長いのは脱脂していない袋出し状態のベアリングです。

脱脂しないという選択

雑誌や周囲からは脱脂をすると転がりが良くなると聞くと思います。もちろん、ベアリングの脱脂によってストレートスピードはもちろん、コーナリングスピードも向上することは間違いありません。知っておきたい知識だと思いますし、やりたいときも当然あると思います。しかし、脱脂をしてしまうと本当に直ぐにベアリングが傷んでしまいます。ベアリングは1か所でも機能しなくなると車のバランスがおかしくなるので、勝負どころ以外は交換頻度を減らすため脱脂しない選択もありだと思います。AXONさんのベアリングは脱脂しないとしても、とてももおすすめです。

ベアリングの交換タイミング

ベアリングのチェックを無負荷状態でしている方がいらっしゃると思いますが、マシンがサーキットを走る際はベアリングにかなりの負荷が掛かっています。無負荷状態でチェックした際に少しコリコリコリと抵抗が出ている状態は、すでにベアリングが傷んでしまっていると判断した方が良いかもしれません。それが1か所だけ入ってしまっていても良く走らなくなってしまいます。ABCホビーさんのベアリングリフレッシュセットを使用するとベアリング回転をチェックするのが楽になります。状態の良いものはリヤ、それよりは少し落ちるものはフロントにつけると良いと思います。コリコリのものは交換です。

ベアリングのメンテナンス

ベアリングを長持ちさせるためには、ドライベアリングを購入するのではなく、一般的なベアリングを購入します。それを脱脂せずに装着しましょう。メンテナンスするときも、パーツクリーナーは使用せずに刷毛で汚れを落とし、キムワイプやウエスなどを使用して外側を拭き取るようにします。汚れが付いたままグリスを刺すと汚れがベアリング内に入ってしまい劣化が早くなってしまいます。また、コンプレッサーもベアリング内に汚れを入れてしまう原因になるので拭き取りが汚れ取りには良いと思います。丁寧に汚れを取った後、オンロードであれば軽いグリスを足します。前に入っているグリスに追加するイメージで良いと思います。

ちなみに、オフロード走行ですと脱脂はしてはいけません。オンロードに比べて衝撃が大きく、埃っぽい場所を走らせるので脱脂したベアリングでは直ぐにロックしてしまうほど傷んでしまいます。たとえ、カーペットのコースを走らせるにしてもバギーのベアリングは脱脂しない方が良いです。メンテナンスはオフロードであれば重めのグリスを足します。そうすると長持ちすると思います。

オンロードではレース以外では脱脂していないベアリングを使用して、ここ一番のレースの時には使用する。レースの時には、すべてのベアリングを新品にして、脱脂して使用すれば良いのではないでしょうか?もちろん、脱脂した際には軽めのグリスを刺すようにして下さい。グリスを指す頻度は数パックに1度程度が良いと思います。丸一日レースがある場合なら、ルーティーンを決めて2から3回刺すくらいだと思います。脱脂したベアリングに軽いオイルというのは、そのくらいグリスが飛びやすいです。

脱脂をしたベアリングをパーツクリーナーで繰り返し洗浄して使用している方がいらっしゃいますが、なるべくやらない方が良いと思います。脱脂をしたもので何パックも使用したものを使用してセッティングを追い込んでいくといったことは、あまりおすすめしません。